糖尿病・骨粗鬆症でもインプラントは可能?手術前に知る確認点|八尾市でインプラントなら谷口歯科クリニック糖尿病・骨粗鬆症でもインプラントは可能?手術前に知る確認点|八尾市でインプラントなら谷口歯科クリニック

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糖尿病・骨粗鬆症でもインプラントは可能?手術前に知る確認点

糖尿病・骨粗鬆症でもインプラントは可能?手術前に知る確認点

HbA1cの数字と骨の薬、両方が気になるときに


前回より上がったHbA1cの検査票と、名前を言いにくい骨粗鬆症の薬。奥歯にインプラントを勧められたものの「内科にも相談を」と言われ、手が止まった方もいるでしょう。持病があっても検討できる場合はあり、可否は血糖の推移・顎の骨・服薬内容を合わせて判断します。薬は自己判断で止めず、情報をそろえて相談するところから始めましょう。


この記事の要点まとめ


  • インプラントの可否は、HbA1cの推移や合併症、歯周病、顎の骨の状態を踏まえて検討します。
  • 骨粗鬆症の薬は自己判断で中止せず、薬の種類や使用状況を内科医と歯科医師に伝えましょう。
  • 検査結果やお薬手帳を持参し、手術の時期や範囲、入れ歯・ブリッジなどの方法、術後の通院を相談します。

糖尿病と骨粗鬆症が重なると、インプラント手術の何を確認する?

糖尿病と骨粗鬆症が重なると、インプラント手術の何を確認する?

確認するのは病名の有無ではありません。「血糖がいま安定しているか」「顎の骨の量と形」「骨粗鬆症の薬の種類と使い方」の3点を組み合わせて見ていきます。どれか一つだけで手術の可否は決まりません。


HbA1cが上がったとき、感染のリスクをどう見極めるか


血糖コントロールが悪い状態では、細菌や真菌への抵抗力が弱くなり、感染症が重症化しやすいと言われています1。HbA1c(これまでの血糖の平均的な状態を映す値)は大切な目安です。ただ、年齢や合併症、使っている薬によって望ましい値は人それぞれで、一律の合格ラインは当てはめられません。


そこで1回の数値だけでなく、最近の推移、腎臓や目などの糖尿病合併症、歯周病の程度もあわせて確認します。歯周病や清掃状態といったリスク因子を手術前から整えておくことは、インプラント周囲の炎症を防ぐうえで役立つと整理されています2。


骨粗鬆症の診断だけで断られない理由と、歯科用CTで見る範囲


骨粗鬆症と診断されたことだけで、すぐにインプラントが受けられなくなるわけではありません。骨粗鬆症の方とそうでない方を比べた研究のまとめでは、インプラントが抜け落ちる割合に大きな差は示されなかった一方、周囲の骨がやせる量はやや多い傾向が報告されています3。


腰や太ももで測る骨密度は全身の骨の状態を示します。これに対し歯科用CT(顎の骨を立体的に撮影する装置)では、インプラントを入れる部位の骨の厚み・高さ・形を調べます。CTで骨が足りない場合は、骨を補う処置(骨造成)を併用するか、別の方法を選ぶかを検討します。


骨粗鬆症の薬と顎骨壊死――薬の名前・使い方まで伝える


慎重に確認したいのは、病気そのものより骨が壊されるのを抑える薬(骨吸収抑制薬)のほうです。骨粗鬆症の治療で骨吸収抑制薬を使う方については、インプラントの脱落や薬剤関連顎骨壊死との関係が研究されています4。


伝えてほしいのは薬の名前だけではありません。飲み薬か注射か、どのくらいの間隔で使うか、いつから続けているか、何のために処方されたかまで確認します4。


ポイント

骨粗鬆症の薬は骨折を防ぐために処方されています。休薬するかどうかは自己判断せず、処方した医師と歯科医師が相談して決めます。


二つの持病がある場合は、手術範囲と時期を一緒に考える


血糖、薬、顎の骨、歯周病の懸念が重なるときは、検査結果を一つずつ合否で見るのではなく、治療計画全体で判断します432。


たとえば血糖が落ち着くまで手術を待ち、その間に歯周病治療を進める。骨造成を伴う大きな手術を避け、本数や範囲を絞る。条件によっては手術を見送り、ほかの方法を選ぶのも十分に現実的な判断です。


手術を急がず決めるための相談準備と治療の選び方

手術を急がず決めるための相談準備と治療の選び方

相談の中身は、持っていく情報で大きく変わります。内科と歯科の両方に同じ資料を見せられるよう、受診前に書き出しておくと話がかみ合いやすくなります。


内科と歯科に伝える情報を、受診前に書き出す


次の項目をメモにまとめ、お薬手帳と一緒に持参してください。


  • 直近のHbA1c・血糖値と、以前からの推移
  • 低血糖を起こした経験と、そのときの様子
  • 腎臓・目・神経などの糖尿病合併症、高血圧や心臓の病気
  • 骨密度の検査結果、骨粗鬆症の薬の名前・飲み方や注射の間隔・開始時期4
  • 歯周病の治療歴と、いまの歯ぐきの状態2

内科では「手術を受けるなら、いつ頃がよいか」「薬の調整は必要か」をそのまま尋ねて構いません。


手術当日の食事・糖尿病薬と、術後の回復を確認する


インスリンや血糖を下げる薬を使っている方は、当日の食事量や服薬を自分で変えないでください。食事量と薬の使い方によっては体調に影響する場合があるため、医師にご相談ください。当日の指示は内科医と歯科医師の双方から受けておき、抗菌薬の使い方や緊張をやわらげる麻酔の方法もあわせて相談します。


術後は、骨とインプラントがなじむ経過を見ながら段階的に進めます。腫れや痛み、出血がしばらく続くことはありますが、傷が開く・膿が出るといった変化が続くときの連絡先は手術前に確かめておきましょう。


インプラントを見送る場合、入れ歯・ブリッジをどう選ぶか


比べる点インプラントブリッジ部分入れ歯
手術必要不要不要
隣の歯への処置原則なし両隣の歯を整えて土台にする金具をかける歯に力がかかる
使用感・手入れ固定式。周囲の清掃と定期管理が前提2固定式。橋渡し部分の下の清掃に工夫が要る取り外して洗う。会話中の違和感が出ることも

一番奥の歯を失った場合など、支えになる歯がなくブリッジを使えないこともあります。接客の仕事で入れ歯の違和感が気になるなら、その点も遠慮なく伝えてください。私達は必要以上に大がかりな治療は避け、残せる歯を残しながら、欠けた部分を補う方法を一緒に考えたいと思っています。


なおインプラントは自由診療(公的医療保険が適用されない治療)です。費用は、検査・手術・人工の歯の取り付けを含み、骨造成が必要な場合は別に費用がかかることがあります。具体的な金額は医師にご相談ください。本数や医療機関によっても異なります。治療期間は、インプラントに骨が結合するまで一定の期間が必要で、埋める部位の骨の状態によって変わります5。通院回数も治療計画によって異なるため、医師にご相談ください。これらは一般的な説明・目安であり、当院の費用・期間・通院回数ではありません。当院の費用・期間・通院回数は、診察のうえでご案内します。


術後の腫れ・痛み・内出血、感染や唇・あごのしびれなど、手術に伴うリスクには個人差があるため、医師にご相談ください。また、インプラントが骨とうまくなじまない場合については、医師にご相談ください。術後にインプラント周囲炎が起こる場合があります2。


相談先で確かめたい検査と治療後の通院


相談先では、歯科用CTで顎の骨を確認できるか、内科の主治医と情報をやりとりしてもらえるか、手術後のメンテナンスをどう続けるかを確かめてください。インプラント周囲炎(インプラントの周りの歯ぐきや骨に起こる炎症)の予防には、術後の清掃と定期管理の状況が関わるとされています2。


歯科に相談する際も、検査結果の用紙とお薬手帳があると持病や服薬を踏まえた話がしやすくなります。仕事や生活の予定に合わせて、治療後に定期的な通院を続けられるか考えてみてください。治療して終わりではなく、その後の状態を維持するための定期的な清掃と管理についても相談しておきましょう。


ポイント

次の一歩は、内科で直近の検査結果と薬の一覧を受け取り、それを持って歯科で顎の骨の検査と治療方針を相談することです。


よくある質問


Q. 糖尿病でもインプラント治療は可能ですか?


A. 血糖の状態によっては検討できる場合があります。HbA1cの値だけでなく、最近の推移や合併症、歯周病の状態をあわせて判断します。手術前に歯周病などのリスク因子を整えておくことも、インプラント周囲の炎症を防ぐうえで役立つとされています2。


Q. 骨粗鬆症でもインプラントは受けられますか?


A. 骨粗鬆症の診断だけで一律に受けられなくなるわけではありません。研究のまとめでは、抜け落ちる割合に大きな差は示されなかった一方、周囲の骨がやせる量はやや多い傾向が報告されています3。顎の骨の状態は歯科用CTで個別に確認します。


Q. 骨粗鬆症の薬は、手術の前にやめた方がよいですか?


A. 自己判断での中止は控えてください。薬は骨折を防ぐ目的で処方されており、休薬の要否は薬の種類や使用期間を踏まえて、処方した医師と歯科医師が相談して決めます4。


Q. インプラントを慎重に考えた方がよいのはどんな場合ですか?


A. 血糖が不安定な時期、骨吸収抑制薬を長く使っている場合、歯周病が進んでいる場合、術後の定期的な通院が難しい場合などは、時期や方法を慎重に検討します。入れ歯やブリッジを含めて比べることをおすすめします。


Q. インプラントは長い年月がたつとどうなりますか?


A. 長く使えるかどうかは、毎日の歯磨きと歯科での定期管理に大きく左右されます。清掃が不十分になると、インプラント周囲の歯ぐきや骨に炎症が起こることがあります2。持病の状態が変わったときは、歯科にも早めにお伝えください。


参考文献


1. 糖尿病と感染症のはなし | 糖尿病情報センター. https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/070/070/01.html

2. Carra MC, Blanc-Sylvestre N, Courtet A, et al. Primordial and primary prevention of peri-implant diseases: A systematic review and meta-analysis. Journal of clinical periodontology. 2023. PMID: 36807599 / DOI: 10.1111/jcpe.13790

3. Lemos CAA, de Oliveira AS, Faé DS, et al. Do dental implants placed in patients with osteoporosis have higher risks of failure and marginal bone loss compared to those in healthy patients? A systematic review with meta-analysis. Clinical oral investigations. 2023. PMID: 37043030 / DOI: 10.1007/s00784-023-05005-2

4. Mirza R, El Rabbany M, Ali DS, et al. Dental Implant Failure and Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw Related to Dental Implants in Patients Taking Antiresorptive Therapy for Osteoporosis: A Systematic Review and Meta-Analysis. Endocrine practice. 2025. PMID: 40505730 / DOI: 10.1016/j.eprac.2025.06.003

5. よくあるご質問 | 公益社団法人日本口腔インプラント学会. https://www.shika-implant.org/min-implant/faq/


谷口 善三郎

歯科医師


谷口歯科クリニック

理事長

谷口 善三郎

▶ 監修者プロフィール

経歴
2006年 明海大学 歯学部卒業
2006年 明海大学 歯学部付属明海大学病院臨床研究
2007年 明海大学 臨床研修終了
2007年 埼玉県の一般歯科勤務 埼玉県地域医療に尽力
2008年 槙原歯科浦和インプラントセンターにて勤務
院長・センター長に抜擢
2014年 ハーバード大学インプラントコース修了(アメリカボストン)
2015年 谷口歯科クリニック 開院
2017年 医療法人善心会 谷口歯科クリニックとして医療法人化
2017年 テンプル大学インプラント解剖学コース修了(アメリカ)
2018年 ベルン大学インプラントコース修了(スイス)
2023年 京橋オレンジ歯科クリニック 開院
資格・所属学会
日本口腔インプラント学会
日本臨床歯周病学会
日本補綴歯科学会
MID-g役員
日本歯周病学会
日本矯正歯科学会
デンツプライシロナ(アストラ)インプラント認定医
スタディーグループKZ会主催