質の高い歯周病治療
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歯周病は、歯を支えている周りの組織が歯周病菌によって破壊されていく感染症です。
口の中には、およそ300~500種類の細菌がおり、これらの細菌によって歯肉が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします。治療をせずに放っておくと歯が揺れて噛めなくなり、最後には抜けてしまうこともあるこわい病気です。
30歳以上の多くの方々がかかっており、40歳以上の約8割がこの感染症にかかっています。また、歯を失う原因の約7割(10人に7人)が歯周病と言われています。
歯茎と歯の間にはポケットというわずかなすき間があります。歯みがきを怠ると、このポケットに多くの細菌が繁殖してプラークがたまります。たまったプラークが歯石をつくり、すき間を押し広げていきます。これを積み重ねることで歯肉が炎症を起こします。歯肉の炎症を放置しておくと症状はますます悪化していきます。
<<歯周病を進行させる要因>>
歯周病はむし歯と違い、痛みなどの自覚症状が出にくく、歯科医院に行かないうちに手遅れになってしまうことも少なくありません。早期発見で健康な歯を保つためにも歯科で定期健診を受けましょう。
歯周病は、お口の中だけの病気にとどまらず、歯周病菌が血液に入り込んで、全身を駆け巡り様々な病気を引き起こしたり悪化させたりする原因となります。つまり、歯周ポケットがいわば「怪我の傷口」と同じで、そこから容易に細菌が体内に入り込める状況なのです。
さらに歯周病菌は、白血球の殺菌作用があまり働かず、血液中でしばらく存在します。
血液中に入り込んだ歯周病菌は、血液によって全身に運ばれていき、さまざまな臓器にたどり着いて炎症を引き起こすのです。
妊娠中は、ホルモンバランスの関係で、歯や歯茎の調子が悪くなる場合があり、妊娠性歯肉炎もしくは妊娠性歯周炎と言います。
妊娠性歯肉炎は、歯茎の腫れと歯茎からの出血が主な症状ですが、妊娠中の歯周病は歯茎が腫れて出血するだけではなく、早産や未熟児の原因とも言われています。妊娠16~28週(5~7ヶ月)の妊娠中期になると安定期に入るため、通常の歯科治療が受けられます。このタイミングで妊婦検診を受けましょう!
健康な歯茎![]() |
歯肉は淡いピンク色で引き締まっていて、歯と歯の間の歯肉はきれいな三角形をしています。歯と歯肉の境目や歯と歯の間にはプラークがありません。 |
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歯肉炎![]() |
お口の中を不潔にしていると、歯と歯肉の境い目の歯肉溝にプラークが溜まり、炎症が起きて歯肉が赤く腫れます。これが歯周病のはじまりの歯肉炎です。 |
軽度歯周炎![]() |
さらに不潔にしていると、プラークが増えて歯周病菌の勢いが強くなり、歯を支えている骨が破壊されだします。 歯周ポケットの中にはプラークが固まった歯石があり、歯周病菌がたくさん繁殖しています。この歯周病菌(歯石・プラーク)を完全除去しない限り、歯周病は治りません。 |
中等度歯周炎![]() |
プラークがさらに増えて歯周病菌がますます繁殖し、歯を支えている骨が半分くらい溶けた状態となり、歯を指で押すとぐらつくようになります。 歯周ポケットの深い部分に付着した歯石・プラークを掻き出して歯周病菌を完全除去しない限り、歯周病は治りません。 |
歯を失う![]() |
それでも治療せずに放っておくと、歯を支えている骨が破壊されて歯がグラグラになり、ついには抜けてしまいます。 歯周病の恐ろしいところは、歯周病にかかった歯だけでなく、隣りの歯までどんどん悪影響が及ぶことです。 |
歯周病予防の基本は、ご自身で行う日々のブラッシングと、歯間ブラシやフロスで歯周病の原因であるプラークをしっかりと取り除くことです。
歯周病治療は、付いてしまった歯石とプラークをしっかり取り除くことにより、歯周病菌を完全除去します。
歯石は歯ブラシでは取り除けないため、専門的な歯周病治療が必要です。
歯周病の進行度合によって治療の進め方は違いますが、重度になるにつれ、お体へのご負担が大きくなり、治療にかかる期間も長くなります。
そのためにも歯周病は早期発見、早期治療が大切なのです。
治療の前に歯周病がどのくらい進行しているのかを確認します。
歯と歯茎の境目にある「歯周ポケット」の深さを測定するプロービング検査を実施し、レントゲンで歯を支えている骨(歯槽骨)の状態から、歯周病の進行を確認します。この検査で、どの程度の治療が必要かを判断します。
歯石は歯の表面に強く付着しているため、ブラッシングでは落とすことができません。超音波スケーラーという専用の器具を使い、歯石を除去していきます。超音波スケーラーを使い歯石やプラークを除去する作業をスケーリングといいます。
歯石除去で痛みが生じたり、出血したりする場合もありますが、これは歯肉の炎症が影響しています。歯石除去による痛みや出血は一時的なものなので、それほど心配しなくても大丈夫です。
軽度の歯周病(歯肉炎)では、スケーリングや正しいブラッシングによって、お口の中を清潔に維持するだけで、症状が改善していきます。
※歯茎の中にある歯石(骨が溶けている中程度の歯周病)はスケーリングでは除去できません。
歯周病が進行し、歯周ポケットが深くなってくると、歯石は歯周ポケット内(歯根の表面)にも付着してしまいます。
ルートプレーニングが必要になるのは、主に中等度の歯周病となります。
ルートプレーニングという治療法により、スケーリング(step2)だけでは除去できない深い部分の歯石を、特殊器具(手用スケーラー)を使用して除去します。そして再びプラークが付着しづらいように歯の表面をツルツルにします。
深い部分の歯石を取りますので、麻酔を使わせていただきます。ただし、痛みの少ない麻酔をかけさせていただきますので、術中に痛みを感じることはございません。
歯周外科治療は歯周ポケット内に入り込んだプラークや歯石が大量に付着している場合や、歯周ポケットが非常に深い場合に、スケーリング・ルートプレーニングを行った後に改めて検査を行い、フラップ手術とよばれる、歯茎を切り開いて感染部分を取り除く歯周外科治療(手術)を行います。
より重度な状態へ歯周病が進行すると、歯周病治療のみでは、なかなか治癒しないことがあります。
そのような場合、①歯周組織再生療法による歯周組織の再生や、 ②歯周矯正治療(歯周治療+矯正治療)、③歯周補綴(ほてつ)治療(歯周病治療+補綴治療:被せもの)などのコンビネーションの治療を行っていく必要が出てきます。
歯肉や顎の骨である歯周組織を再生することのできる治療法の1つ、歯周病によって失われた歯周組織の構成と機能を完全に復活させるため、エムドゲインというブタ歯胚歯周組織使用再生材料を歯周組織の失われた部分に塗ることで、歯周組織を再生誘導する治療です。
比較的、軽度の歯周病であれば、歯や歯の周りを清潔に保つことで治すことができます。
施術名 | 歯周組織再生療法 |
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施術内容 (院長コメント) |
歯周ポケット(根面)の感染源を外科的に歯肉を開くことにより徹底的に除去し、歯周病にて溶けてしまった骨を補うようにエムドゲインを塗布した後、開いた歯肉を閉じます。 骨が再生したかどうかを6カ月後に歯周ポケット検査とX線(レントゲン写真)撮影にて確認します。 |
施術の副作用(リスク) | 術後に出血や痛みが出る場合があります。また、歯肉の退縮や歯肉の状態により骨が再生しない場合があります。 ※エムドゲインゲルを使用した治療が行なえるかどうかは、歯周病の程度や患者様の健康状態によっても異なります。 |
施術費用 | 60,500円(税込)(1ブロック2歯まで) 治療期間6カ月 |
歯周病により歯槽骨(歯を支えている骨)が溶かされると、歯槽骨の形はガタガタになって歯肉との段差ができ、歯周病原菌悪玉菌を発生させる深い歯周ポケットが形成されてしまいます。
さらに、歯槽骨の支えが少なくなるために、通常の噛み合わせの力でも異常な力と受け止めてしまい、歯は色々な方向へと病的に移動してしまいます。
このような場合に、歯周矯正治療(歯周治療+矯正治療)は力を発揮します。 歯周病による病的移動した歯の並びを改善しながら、歯周病により不整となった歯槽骨(歯を支えている骨)の形態も滑らかに改善することが出来ます。
歯周補綴治療は、重度歯周病でぐらぐらになった歯を被せ物で連結して歯を安定させる治療法です。歯周病が進行すると、歯槽骨が溶けて歯根が露出し、歯がグラグラしてきます。こうなると物を噛むのにも支障がでますし、プラークコントロールをすることも難しくなってしまいます。
歯周補綴治療とは、このような揺れている歯をお互いにつないで安定させるため、連結した被せ物を作って歯にかぶせる治療方法です。
歯周病の治療中や治療終了直後は、歯周病菌が非常に少なくなっています。はじめのうちはブラッシングも一生懸命に行うものですが、時間とともにだんだんおろそかになって行く場合もあり、再び歯周病菌が増殖して、歯周病が再発する危険が高まります。
歯周病を再発させず、健康な状態を維持して、8020(ハチマル・ニイマル:80歳に至っても20本の健康な歯を維持すること)を実現するためには、定期的な治療『メンテナンス』が欠かせません。治療が終了した後は、3ヶ月ごとの定期健診の受診をお勧めします。
*3つあてはまる→油断は禁物です。ご自分および歯科で予防するように努めましょう。
*6つあてはまる→歯周病が進行している可能性があります。
*全てあてはまる→歯周病の症状がかなり進んでいます。