当院では、3～8歳頃の小さな子どもを対象にした小児矯正「床矯正」を行っています。

床矯正とは、何なのでしょうか？　通常の矯正治療との違いは？　気になる方も多いかと思います。

今回は、お子様をお持ちの保護者の方に向けた、「床矯正」のご紹介です。

■床矯正とは？　読み方　何歳から何歳まで床矯正を受けられるの？

◎取り外し式の拡大装置（拡大床（緩徐拡大装置））を用いる小児矯正です

床矯正は「しょうきょうせい」と読みます。

床矯正とは、取り外し式の拡大装置（拡大床（緩徐拡大装置））を用い、子どもの歯列を広げながら、顎の適切な成長をうながす小児矯正です。

◎3～8歳頃の子どもが対象

当院では、3～8歳頃の子どもを対象に床矯正を行っています。

3～8歳頃の小さな子どもが対象の理由は、9歳頃を過ぎると顎の骨格が固まり始め、顎の適切な成長をうながすことが難しくなるためです。

◎歯列を広げ、顎の適切な成長をうながし口腔内のスペースを確保することで「将来の綺麗な歯並び」を目指します

床矯正は、通常の矯正治療（マウスピース矯正、ブラケット矯正）とは異なります。

床矯正は顎の適切な成長をうながす、小さな子どもの時期限定の小児矯正です。歯科医療では、顎の成長をうながす小児矯正のことを「咬合誘導（こうごうゆうどう）」と呼びます。床矯正は咬合誘導の一種です。

｛床矯正で歯列を広げ、顎の適切な成長をうながす理由｝

床矯正では、取り外し式の拡大装置を1日につき12～14時間以上、お子様に装着していただきます。拡大装置の装着により、歯を少しだけ外側に傾けることで歯列を広げ、顎の適切な成長を促進。

顎の骨格が適切に広がると、口腔内にスペースが確保され、歯の生え変わりの時期（6～12歳頃）にまっすぐ永久歯が生えやすくなります。

歯列を広げ、顎の適切な成長をうながす→口腔内にスペースが確保される→まっすぐ永久歯が生えやすくなり、将来の綺麗な歯並びにつなげる

上記が、床矯正のメカニズム（目的）です。

■床矯正の矯正期間は？　定期通院では何をするの？

◎1～3年程度が平均的な床矯正の矯正期間になります

床矯正の平均的な矯正期間は、1～3年程度になります（※）。

（※）平均的な期間です。患者様や症例により、
床矯正にかかる期間が異なります。

◎床矯正中は定期的な通院が必要です

床矯正中は1～2ヶ月に1回のペースで、定期的な通院が必要です。

定期通院の際は、主に以下のようなことを行います。

［床矯正中の定期通院の際に行うこと］

• 拡大装置の調整

• 歯並び・顎の状態、および、お口の健康状態のチェック

• （必要に応じて）歯・拡大装置のクリーニング

• （必要に応じて）拡大装置の修理・交換

■床矯正（拡大床（緩徐拡大装置））・急速拡大装置の違い

◎床矯正では1～3年程度をかけて少しずつ歯列を広げ、顎の適切な成長をうながします

床矯正で用いる矯正装置は、「拡大床」と呼ばれる緩徐拡大装置（かんじょかくだいそうち）です。

緩徐（ゆるやかに、少しずつ）という名前が示すとおり、床矯正では1～3年程度をかけて少しずつ歯列を広げ、顎の適切な成長をうながします。

床矯正は上下の顎、どちらにも治療を行うことが可能です。

誤解されやすいのですが、床矯正は顎の骨を直接的に広げる作用はそれほど大きくありません。床矯正は歯を外側に少しずつ傾け、歯列を広げることで顎の適切な成長をうながす小児矯正になります。

◎急速拡大装置は2～3ヶ月程度の短期間で上顎の骨を広げていく点が特徴です

床矯正と似ている矯正装置としては、短期間で上顎の骨を広げていく「急速拡大装置」も。

急速拡大装置を用いた小児矯正では、固定式の急速拡大装置を取り付け、2～3ヶ月程度の短期間で上顎の骨そのものを広げていきます。

急速拡大装置は上顎のみが治療対象です。

歯列を広げ、顎の適切な成長をうながす床矯正とは異なり、急速拡大装置はよりダイレクトに上顎の骨を広げていきます（上顎の歯列の内側にあるつなぎ目「正中口蓋縫合」を外側に広げていく）。

※思う様に顎の成長が進んでいないなど、お子様・顎の状態によっては、
床矯正と急速拡大装置を併用する場合もあります。

【小さな子どもの頃に行う床矯正で、しっかりとした「歯の土台」作りにアプローチ】

床矯正は歯列を広げ、顎の適切な成長をうながす小児矯正です。

歯が植わっている顎の骨は、例えるなら「歯の土台」。歯列、および、歯の土台である顎の骨格が適切に広がると、将来の綺麗な歯並びを得やすくなります。

今回は、小さな子ども（3～8歳頃）を対象にした小児矯正「床矯正」のご説明をさせていただきました。

来月のブログでは、「床矯正のメリット・デメリット」について、お話しする予定です。

– お子さんの歯並びの乱れでお悩みの方はお気軽にご相談ください –

谷口歯科クリニックでは、未成年のお子様を対象にした小児矯正（0期・Ⅰ期・Ⅱ期）を行っています。

［谷口歯科クリニックの小児矯正］

• 床矯正（咬合誘導）（0期・Ⅰ期）

• ムーシールド（0期）

• インビザライン・ファースト（フェーズ1）（Ⅰ期）

• インビザライン・ファースト（フェーズ2）（Ⅱ期：12歳頃～）

• インビザライン（Ⅱ期）

• ブラケット矯正（Ⅱ期）

（重度の歯並びの乱れに対しては、Ⅰ期でブラケット矯正を行う場合もあります）

お子さんの歯並びの乱れ、口呼吸・舌癖などの悪い癖などお悩みの方はお気軽にご相談ください。

ご相談の際は現在のお悩みやご希望をじっくりとお伺いし、一人ひとりの方に適した「オーダーメイド」の矯正治療をご提案させていただきます。カウンセリング（無料）はWEB/お電話にてご予約可能です。