やっぱり、入れ歯は毎日洗わなきゃ、ダメ? 正しい洗い方で細菌の繁殖を防ぎましょう|大阪府八尾市の歯医者|谷口歯科クリニック

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やっぱり、入れ歯は毎日洗わなきゃ、ダメ? 正しい洗い方で細菌の繁殖を防ぎましょう


部分入れ歯・総入れ歯など、入れ歯は失った歯の機能と歯の見た目をある程度、回復してくれます。


昔からある入れ歯ですが、入れ歯のお手入れには注意点も。


特に注意していただきたいのは、ご自身の歯が残っている場合に使う「部分入れ歯」の洗浄です。


総入れ歯の洗浄ももちろん大切なのですが、部分入れ歯の場合、ご自身の歯が残った状態で入れ歯を使います。


誤った方法で入れ歯の洗浄をしていると磨き残しが出やすくなり、細菌が繁殖。繁殖した細菌が原因で、残っている歯のむし歯・歯周病が進行するケースもあるのです。


■入れ歯を洗うことの大切さ


◎入れ歯を洗浄しないと、むし歯菌・歯周病菌を含む細菌が繁殖しやすくなります

「入れ歯は人工物だから、1日くらい洗わなくてもむし歯・歯周病にはならないよね?」


部分入れ歯・総入れ歯など、入れ歯をお使いの方の中には、上記のような認識をお持ちの方も時折、見受けられます。


「数日くらいなら入れ歯は洗わなくてもいい」という認識には注意が必要です。


たしかに、入れ歯は人工物のため、むし歯・歯周病にはなりません。入れ歯自体はむし歯・歯周病にはならないのですが、注意が必要なのは部分入れ歯。


部分入れ歯の場合、残っている歯はご自身の歯です。部分入れ歯を洗浄しないと、むし歯菌・歯周病菌を含む細菌が歯垢の固まりとなって入れ歯に付着。口腔内でむし歯菌・歯周病菌が繁殖し、むし歯・歯周病が進行する場合があります。


{総入れ歯の洗浄も大切です}


患者様によっては、上下すべての歯が失われており、上下の顎に総入れ歯をお使いの方も。


すべての歯が失われている場合、総入れ歯はむし歯・歯周病をひき起こしません(歯がなく、歯ぐきが閉じているため)。むし歯・歯周病をひき起こしませんが、口臭の原因になるなど、口腔内の清掃状態が悪化しやすくなるため、総入れ歯の洗浄も大切です。


■どれくらいの頻度で入れ歯を洗えばいい?洗浄にかける時間は? 入れ歯の正しい洗い方


◎毎日・毎食後、入れ歯を洗いましょう

入れ歯は、毎日・毎食後に洗う必要があります。

毎日、食事の後は入れ歯を洗いましょう。


なお、入れ歯の洗浄時間に決まりはありません。できるだけ、軽い力で丁寧に入れ歯を洗うことが望ましいです。


◎入れ歯の正しい洗い方

以下のような方法で、入れ歯を洗いましょう。


[入れ歯の洗い方(&保管方法)]


  1. 食後は、入れ歯を外す
  2. 洗面器、または、適切な大きさの容器に水orぬるま湯(40℃未満のぬるま湯)を張る
  3. 洗面器・容器に張った水orぬるま湯の中で、入れ歯専用ブラシを使い、軽い力で丁寧に入れ歯をブラッシング
  4. 水orぬるま湯を張った洗面器・容器の上で(重要)、水orぬるま湯を流しながら、入れ歯をすすぐ
  5. 水気を切って、入れ歯を再装着(ティッシュや布などで拭かず、水気を切るだけでOKです)
  6. 就寝前など、再装着しない場合は、水orぬるま湯or入れ歯保存液の中に入れ歯を入れる(入れ歯を乾燥させた状態が続くと、入れ歯が変形することがあります)

◎入れ歯を洗うときの注意点

入れ歯を洗うときは、以下のような点に注意しましょう。


[入れ歯を洗うときの注意点]


①水orぬるま湯を張った洗面器・容器の中で洗わないのはNG


洗面台・キッチンシンクでそのまま入れ歯を洗うと、入れ歯を落としたときに入れ歯が変形・破損するおそれがあります。


②40℃以上のお湯・熱湯で洗うのはNG


40℃以上のお湯・熱湯で入れ歯を洗うと、入れ歯が変形・破損するおそれがあります。


③歯ブラシで入れ歯を強く磨くのはNG


歯ブラシは、人の歯のエナメル質を磨くために作られています。


保険の入れ歯はレジン製(プラスチック樹脂製)です。レジン製でエナメル質よりやわらかい入れ歯を歯ブラシで強く磨いてしまうと、入れ歯の表面が傷つき、入れ歯が変形・破損するおそれがあります。


(※)ジルコニア(非常に強度が高いセラミック)製の義歯など
自費の入れ歯には歯ブラシで磨ける物もあります。
クリニックにより、取り扱う自費の入れ歯の種類が異なります。


④部分入れ歯の洗浄は特に念入りに行う


総入れ歯も丁寧な洗浄が大切ですが、ご自身の歯が残っている場合に使う部分入れ歯の洗浄は特に念入りに行いましょう。


部分入れ歯を洗うときは、磨き残しを減らすために、以下のような箇所に注意しながら入れ歯全体を念入りに洗浄することが重要です。


  • 歯にかける金具の部分(クラスプ)
  • 入れ歯の隣の歯に接する部分
  • 入れ歯の底の部分(歯ぐきにふれる部分)
  • 入れ歯と金具(クラスプ)の境目の部分

⑤研磨剤(市販の歯磨き粉を含む)、アルコールでの洗浄は控える


市販の歯磨き粉の多くは、研磨剤が含まれています。また、研磨剤を含まない歯磨き粉であっても、歯磨き粉は入れ歯を洗うためには作られていません。


研磨剤を含む歯磨き粉、および、研磨剤を含む洗剤で入れ歯を洗うのはやめましょう。研磨剤が原因で入れ歯が変形・破損するおそれがあります。


研磨剤のほか、入れ歯が変形・破損する原因になるため、アルコールを含む洗剤・マウスウォッシュで入れ歯を洗うのはやめましょう。


⑥入れ歯洗浄剤を用いるときは、製品に記載されている方法を守る(つけ置き時間など)


入れ歯洗浄剤についてですが、入れ歯洗浄剤の使用は必須ではありません。

必須ではありませんが、汚れを落としにくい場合は、入れ歯洗浄剤を使うことで汚れを落としやすくなります。


なお、入れ歯洗浄剤を用いるときは、製品に記載されている方法を守りましょう。製品によって多少の差がありますが、一般的に、入れ歯洗浄剤のつけ置き時間は5~10分程度に設定されています。


記載されている時間以上に入れ歯をつけ置きすると、入れ歯の劣化を早めてしまうおそれがあるため、注意が必要です。


【入れ歯を正しく洗い、入れ歯&口腔内の衛生状態をできるだけ清潔に保ちましょう】


「入れ歯の正しい洗い方」について、ご説明をさせていただきました。

部分入れ歯・総入れ歯、共に、入れ歯は毎日、毎食後に洗うことが大切です。


入れ歯を正しく洗い、入れ歯&口腔内の衛生状態をできるだけ清潔に保ちましょう。入れ歯の洗浄と併せて、食後は歯磨きも行うことも重要なポイントです。


医療法人 善心会
歯科医師
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