むし歯・歯周病の進行を抑えるために欠かせない、毎日の歯磨き。
歯磨きには、主に以下の2種類の方法があります。
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手磨き(普通の歯ブラシ)
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電動歯ブラシ(従来式(回転or振動)・音波式・超音波式など)
皆様は、どの歯ブラシで歯を磨いていますか?
どの歯ブラシが歯垢を落としやすいのでしょうか?気になりますよね。
そこで今回は、「手磨き・電動歯ブラシ」の違い&それぞれの方に適した歯ブラシについて、深堀りしてみました。
目次
■そもそも、電動歯ブラシはどんな種類があるの?
◎従来式(回転or振動)・音波式・超音波式の3種類が一般的です
電動歯ブラシは以下の3種類が一般的です。
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従来式(回転or振動)
回転回数:6,000~20,000回/分
振動回数:3,000~7,000回/分
毛先が回転or振動する電動歯ブラシです。回転のみor振動のみのほか、回転&振動するものもあります。
昔ながらの回転or振動により、従来式の電動歯ブラシはパワフルに歯垢・食べかすを落としていく点が特徴です。
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音波式
振動回数:20,000~40,000回/分
毛先が高速で振動し、音波の水流を発生させる電動歯ブラシです。
高速振動&音波水流により、歯と歯のすき間や歯周ポケットなど、毛先が届きにくい部分の歯垢・食べかすを効率的に落とせます。
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超音波式
振動回数:約120万回/分
毛先から超音波を発生させる電動歯ブラシです。
超音波の音波振動で、むし歯菌などの細菌のかたまりである不溶性グルカン(歯垢を構成する多糖体)を破壊。不溶性グルカンを破壊して歯垢を浮き上がらせるメカニズムにより、歯垢を落としやすい点が特徴です。
(※)上記の回転回数・振動回数は平均的な数値です。
各メーカーの製品により、数値が異なります。
◎電動歯ブラシは歯ブラシの動かし方に違いがあります
種類ごとに、電動歯ブラシはブラシの動かし方に違いがあります。
従来式(回転・振動)、音波式 |
超音波式 |
歯の表面に軽く毛先を当て、スライドさせて歯を磨く(手磨きのように手を動かさない) |
歯の表面に毛先を当て、手磨きとほぼ同じように手を動かしながら歯を磨く |
■手磨き(普通の歯ブラシ)と電動歯ブラシ、どっちが歯垢・食べかすを落としやすいの?
◎清掃効率は電動歯ブラシの方が高いです
手磨き(普通の歯ブラシ)と電動歯ブラシ、どちらが歯垢・食べかすを落としやすいのかは、昔から議論されてきました。
清掃効率(物理的な動きによる清掃のしやすさ)においては、「機械の力で高速or超高速で回転・振動する電動歯ブラシ」の方が清掃効率は高いです。
◎重要なのは、「適切な方法でブラッシングすること」
「清掃効率は電動歯ブラシの方が高い」と聞くと、「じゃあ、電動歯ブラシの方が歯垢・食べかすを落としやすいんだね」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
清掃効率は電動歯ブラシの方が高いのですが、清掃効率の高さは、必ずしも、歯垢・食べかすの落としやすさにはつながらないです。
歯垢・食べかすを落とすために重要なのは、適切な方法でブラッシングすること。
誤った方法で電動歯ブラシを用いると、手磨きよりも歯垢・食べかすを落としにくくなる可能性があります。
適切な方法で磨けているのであれば、手磨きの方が歯垢・食べかすを落としやすい場合も。
■手磨き(普通の歯ブラシ)のメリット&手磨きが適している方
〇メリット
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電池・電源を用意する必要がなく、どこでも手軽に歯ブラシ一つで歯を磨ける
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電動歯ブラシと比べて、ヘッドの形や毛先の硬さの種類が豊富
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ご自身の力加減でブラッシング圧を調節しやすい
◎手磨きが適している方
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適切なブラッシング方法を知っている方
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電池・電源を気にせず、どこでも手軽に歯を磨きたい方
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歯ブラシにかける費用を抑えたい方
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電動歯ブラシの回転・振動が苦手な方
■電動歯ブラシのメリット&電動歯ブラシが適している方
〇メリット
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手や指の力が弱い方・歯ブラシを上手く動かせない方でも、効率的に歯を磨きやすい
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清掃効率が高く、歯垢・食べかすを落としやすい(適切に電動歯ブラシを使うことが前提)
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手磨きと比べて、力加減による磨きムラが少なく、安定してブラッシングしやすい
◎電動歯ブラシが適している方
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手や指の力が弱い方
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歯ブラシを上手く動かせない方
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手磨きだとついつい、手に力が入って強い力で歯を磨いてしまう方
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矯正装置(ブラケット&ワイヤー)をつけている方
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歯磨きにできるだけ時間・労力をかけたくない方
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電動歯ブラシの適切なブラッシング方法を理解している方
【毎日のセルフケア&歯科医院の定期検診でむし歯・歯周病の進行を抑えましょう】
今回は、手磨き(普通の歯ブラシ)と電動歯ブラシの違いについて、お話をさせていただきました。
手磨きor電動歯ブラシはそれぞれにメリットがあります。
それぞれにメリットがありますが、大切なのは適切なブラッシング方法で毎日のセルフケア(歯磨き+歯間清掃)を行うこと。
毎日のセルフケアに加え、歯科医院で定期的に検診を受けることで、むし歯・歯周病などのお口の病気の進行を抑えやすくなります。
かけがえのない歯を守るために、毎日のセルフケア&歯科医院の定期検診を継続し、むし歯・歯周病の進行を抑えましょう。