むし歯予防の効果を高める物の一つに、フッ素があります。

以前は、高濃度フッ素の市販製品への添加が、国によって規制されていました。

現在は、規制がなくなり、ドラッグストアやコンビニ・スーパーなどでも、高濃度（1,450ppm前後）のフッ素入り歯磨き粉・マウスウォッシュを見かけます。

歯質が未成熟でやわらかく、むし歯にかかりやすい12歳以下のお子様には、フッ素によるむし歯予防がオススメです（※）。

（※）5歳以下の小さなお子様への高濃度フッ素の常用は奨励されていません。

お子様に加え、大人の方も、フッ素を用いることで、むし歯を防ぎやすくなる効果を期待できます。

今回は、「フッ素」について、効果・使用方法をご紹介します。

■フッ素は、むし歯予防に効果的なの？

◎フッ素は、むし歯の進行を抑える効果を高めます

市販の歯磨き粉・マウスウォッシュは、フッ素が含まれている物が多いです。

以下のメカニズムにより、フッ素には、むし歯の進行を抑えやすくする効果があります。

［フッ素がむし歯の進行を抑えやすくするメカニズム］

①歯質を強化し、歯の表面のエナメル質を硬く・厚くする

②むし歯菌が出す酸を抑制し、むし歯になりにくくする

①歯質を強化し、歯の表面のエナメル質を厚く・硬くする

フッ素には、歯の再石灰化をうながす作用があります。

歯の再石灰化とは？

むし歯菌（ミュータンス菌など）が出す酸や飲食物に含まれる酸により、歯は、常に溶けています（脱灰：だっかい）。脱灰で溶けてしまった歯は、唾液に含まれるリンやカルシウムで修復され、歯が溶けてなくなるのを防いでいます。この、唾液による歯の修復作用のことを「歯の再石灰化」と呼びます。

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フッ素には、歯の再石灰化をうながし、歯の表面のエナメル質を厚く・硬くする作用があります。歯の表面のエナメル質を厚く・硬くすることで、むし歯菌が出す酸や飲食物に含まれる酸から歯を守りやすくなり、むし歯が進行しにくくなります。

②むし歯菌が出す酸を抑制し、むし歯になりにくくする

歯の再石灰化をうながすことに加え、フッ素には、むし歯菌など、お口の中にひそむ細菌の活動を抑制する作用もあります。

フッ素がむし歯菌の活動を抑制することで、むし歯菌が出す酸（歯を溶かす酸＝むし歯菌のおしっこ）の量が少なくなり、むし歯にかかりにくくなります。

■フッ素は、大人にもむし歯予防の効果があるの？

◎大人の方でも、フッ素でむし歯予防の効果を高められます

フッ素によるむし歯予防は、歯質が未成熟でやわらかい12歳ごろまでの子どもの時期が、特に効果を得やすいです。

ただし、フッ素のむし歯予防効果は子どものみではありません。大人の方でも、フッ素により、むし歯予防の効果を高められます。

■フッ素を使ったむし歯予防のポイント

市販のフッ素入り歯磨き粉・マウスウォッシュを使うときは、以下のようなポイントに気をつけることで、フッ素のむし歯予防効果を高めやすくなります。

ポイント①高濃度のフッ素入りアイテムを選ぶ（5歳以下の小さなお子様を除く）

以前は、日本国内では高濃度フッ素の市販品への添加が規制されていました。現在は、規制がなくなり、1,450ppmなどの高濃度のフッ素が入った歯磨き粉・マウスウォッシュが市販されています。

フッ素は、濃度が高いほど、むし歯予防の効果を高めやすくなるとされています。

むし歯予防の効果をより高めるために、高濃度フッ素（1,450ppm前後）が入った歯磨き粉・マウスウォッシュを選びましょう。

｛5歳以下のお子様には、1,000ppm以下のフッ素入りアイテムをオススメします｝

フッ素は、異常な量を使用しない限り、健康に悪影響は与えにくいとされています。

お子様も、積極的に、フッ素入りアイテムを活用しましょう。

ただし、5歳以下のお子様にとっては、市販の高濃度フッ素（1,450ppm前後）が入ったアイテムは多少刺激が強い可能性も。

5歳以下のお子さまのむし歯予防には、1,000ppm以下のフッ素入り歯磨き粉・マウスウォッシュをオススメします。

ポイント②歯間清掃も忘れずに行う

歯磨きに加え、歯間清掃も忘れずに行いましょう。

フロスや歯間ブラシを使って歯と歯のあいだを清掃することで、歯の隣接面にフッ素を行き渡らせやすくなります。

ポイント③お口ゆすぎはやさしく＆1回のみ

フッ素入りアイテムを使った後、何回もお口の中をゆすぐと、歯の表面についたフッ素が落ちやすくなります。

フッ素の効果を高めるために、歯磨き後のお口ゆすぎはやさしく、1回のみにしておきましょう。

【むし歯予防の効果を高めるために、フッ素入りアイテムの活用をオススメします】

12歳以下のお子様に加え、大人の方にも、フッ素はむし歯予防の効果促進に有用です。

むし歯予防の効果を高めるために、市販の高濃度フッ素入り歯磨き粉・マウスウォッシュの活用をオススメします（※）。

（※）5歳以下のお子様には、1,000ppm以下の

フッ素入りアイテムを用いてください。